エッチなおはなし
エロは地球を救う!モーツァルトのような無垢なエロを書きたい・・・
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背徳エッチへのお誘い 1
その時僕は、パーティー会場の片隅でうとうと居眠りしていた。
大手自動車メーカーが下請け企業を集めて主宰した謝恩パーティー。退屈な集まりだ。
立食パーティーのあと、場所をホテルのボウルルームに移しての二次会へと進んだが、その頃になると主宰メーカーの偉いさんたちは早々に帰ってしまい、下請け孫請けの中小企業のオヤジたちが、いぎたなくタダ酒を飲みクダを巻く。
「こんなパーティー開くぐらいなら納入価格を少しでも上げてもらいたいもんだ」
「本社は俺たち下請けを人間だなんて思ってないさ。たまにエサを撒いてやれば尻尾を振ると思ってやがる」
ヒソヒソ声ではあるが、会場のあちこちで怨嗟の声が上がる。
バブルの頃には本社の大盤振る舞いに大いに潤ったという中小下請けも、今じゃどこも青息吐息。ここ数年で随分と同業者も減ってしまった。
肝心の本社すら、いつ外資に呑み込まれるかという状況なのだ。
そんな声を聞くと、『まだうちの会社は恵まれているな』と感じる。
これも死んだ父親が残してくれた工場と人脈のおかげだろう。
「お前、いつまでも女ばっかり騙してんじゃないよ」
目を閉じたままの僕の耳に、遠山の陽気な声が聞こえてきた。
若い二代目経営者仲間で、本業より青年会議所の活動の方が忙しいパワフルな男だ。そのうち選挙にでも出るつもりなのかもしれない。
「いえいえ、うちの社長は女の方が放っとかないだけなんですよ」
この声は同席した資材屋の番頭格の根岸。肩書は営業部長だったっけ?と言ってもまだ20代の若造だが。
「おい根岸、変なこと言うな。遠山さんが信じちゃうじゃないか」
これはその資材屋の若社長竹下の声だ。こいつも二代目だか三代目だかで、番頭と同い年の20代と聞いた。
たまたま遠山たちと同席したのだが、先ほどから根岸が竹下の過去の女遍歴をまるで自分の自慢のようにしゃべり散らし、当の竹下はニヤニヤと聞いていた。こいつら二人はいつもこうなのだろうか。
ワイ談の類が大嫌いな僕は、途中で酔って寝た振りをしようとしたのだが、そのうち本当に眠ってしまっていたようだ。
(まだ続いていたのか)
舌打ちしたい気分の僕は、席を立つタイミングをはかっていた。
「君たち高校の同級生だって?どこの学校だっけ?」
「麻生商業ですよ」
番頭が答えると、遠山が、
「おお、麻商か!野球だけの名門校」
と受けて三人が笑った。
麻生商業…聞き覚えがあると思ったら妻の母校だった。
麻生商業高校は隣県(と言っても高速道路で20分ほどの距離)にある県立高校だが、遠山の言うように甲子園の常連校。
ただ学力などはたいしたことはないらしく、妻の由美と結婚したいと母親に告げた折り、高卒であることや商業高校出身であることに強く難色を示された苦い過去が一瞬思い出された。
「じゃあ麻商時代にも竹下社長はいろいろと女を泣かせたんだな?」
遠山がからかい半分に話を振ってやると番頭の根岸が待ってましたとばかりに、
「そりゃもう、華やかなもんすよ!」
と嬉しそうだ。
こいつは高校時代からこうやって社長の太鼓持ちをしていたのだろう。
「女子高生を泣かせてたのか?父親の敵だな」
「そんな、人聞きが悪いですよ遠山さん。自分の恋愛はいつもマジっす」
二枚目ぶって竹下が言い訳した。
「うらやましいねえ、そんなに若い頃から女子高生を食いまくって。どんな戦果があったんだ?」
遠山が懲りずに話を引き出そうとする。
「そうっすねえ。社長がモノにした女はいっぱいいたけど…取り巻きだった自分としたら、なんと言ってもユミちゃんが一番印象深いっすね」
「おお!ヤタベユミな。なんか懐かしいな」
番頭と若社長の竹下の会話にタヌキ寝入りを決め込んでいた僕が思わず目を開けた。
谷田部由美…結婚前の妻の名前だ。
(つづく)
2010.04.17 Sat
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背徳エッチへのお誘い
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背徳エッチへのお誘い 2
思わず目を開いた僕と竹下の視線が合ってしまった。
「あっ、お目覚めですか?」
竹下が慇懃な表情を作る。プレイボーイを気取るだけあって整った顔立ちだが、茶色く染めた髪がなにやら薄汚く、流行遅れのホストの風情だ。
うちの会社は竹下の資材販売会社とは取引は無いが、あわよくば食い込もうと思うからこそ、こんなパーティーにもノコノコ出て来るのだろう。うちの会社に対しても色気たっぷりだ。
「おっ!西崎起きたか。なんだ飲み過ぎたのか?」
遠山が酔って快活過ぎる声を上げた。
「いや…少し疲れてるのかもしれない」
「働き過ぎだよ。西崎はな、下ネタ嫌いで有名なんだ。女は奥さんしか知らないって噂だぞ」
よけいなことを…
「それはそれは、奥様はお幸せですね」
番頭の根岸が如才無く笑いかけてくる。うるさいんだよ太鼓持ちめ。
ただ僕としてはそれどころでは無かった。
竹下の口から出た『谷田部由美』という名前。そうそうある名前では無いし、同じ高校で年代的にも妻のことに間違い無いように思うのだが、まさか僕の方から確認するわけにもいかない。
なにやら黒い胸騒ぎが渦巻き始めた。
「で、そのなんとか言う女子高生をどうしたって?」
ひとしきり僕を肴にした後、遠山の方から竹下たちに話を振った。
僕は緊張を気付かれないよう、氷が溶けて薄くなった水割りのグラスを口に運んだ。
「ああ谷田部由美ですね。ひとつ後輩なんですが、オレが高二から高三にかけて付き合ってたんですよ。その子が高一の時に処女をいただいて、その後ズルズルと付き合ってました」
竹下が妙に淡々と話しはじめ、子分の根岸が話を引き取った。
「由美ちゃん、社長にぞっこんでしたからね。回りから見ていていじらしいぐらい。でも社長にはいろんな女がいたから。で、その子をオレみたいな同級生までがなぜ忘れられないのかと言うと、彼女のエッチな体を隅々まで見せてもらったからなんですよ」
根岸には慣れた話のようだが、僕は激しい鼓動の高まりを覚えていた。
「ん?どういうことだ?」
せっかちな遠山が先を促した。
「つまり、社長と違ってオレみたいなモテない男子高校生は女の体なんてなかなか見られないわけッスよ。で、社長に…って当時は同級生ですが『由美ちゃんの裸見て~!』って冗談半分に言ったら『見るか?』って言ってくれましてね」
僕は息の詰まる思いで水割りを舐めた。
「なになに?どうやって見せてやったんだ?」
「さすがにライブじゃ無理ですからねえ。で考えたのがビデオ撮影」
「なんだ盗撮か?」
「いえいえ、僕が由美に撮らせろって迫ったんですよ。もちろん連れに見せるなんて事は言いませんがね」
答えた竹下の口調が少し自慢っぽく蓮っぱに変わってきた。
「なんだなんだ?そうやってその子のヌードをみんなで拝んでたのか?」
遠山は呆れていたが、竹下が自信たっぷりに話し始めた。
「最初は服を着せたまま記念撮影だとか言っていろんな場所でビデオを回し始めたんですよ。で、自分の部屋に連れ込んで、酒とか飲ませて、おだててるうちにとうとう脱いじゃいました」
(つづく)
2010.04.18 Sun
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背徳エッチへのお誘い
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背徳エッチへのお誘い 3
「ハイハイ。そのビデオを初めて見せられた時は衝撃的でした。あのおとなしい由美ちゃんが恥ずかしそうにブラジャー外しちゃって…ホントきれいないいオッパイでしたからね」
根岸の状況説明を聞きながらも僕は無関心を装っていたが、グラスを持つ手は小刻みに震えていた。
「ふ~ん、悪人どもめ。さっそくオールヌードを拝んだのか?」
遠山は呆れながらも興味津々のようだ。遠山は僕の妻とも面識があるが、まさかこの話の主人公が由美だとは思いもしないだろう。
「いえいえ、最初はおっぱいだけ。次の回はパンツ1丁になってお尻はその次。毎週続きモノのエロビデオを借りる気分でワクワクというかイライラ」
そう言って笑う根岸のアホ面にグラスを叩きつけてやりたい気持ちだったがなんとかガマンした。と言っても僕は生まれてこのかた、喧嘩なんてしたことが無いのだが。
「脅したりすかしたりしながら撮影を続けたんですが、最後には裸になってカメラの前で指であそこを広げましたもんねえ。その頃には由美もエッチの味を覚えちゃってて、撮影が前戯代わりになったりして」
「そうそう。由美ちゃんのオナニーシーン、今思い出しても興奮するなあ。今夜久しぶりに見てみようかなあ」
アホ面の根岸が聞き捨てならないことを言った。
「なんだ?今でもそのテープ持ってんのか?」
「もちろんすよ。10年以上前のだからテープだと劣化するでしょ?デジタルレコーダー買って、さっそくダビング。遠山さんも見てみます?」
さすがに青くなったが、遠山が『バカ言え!そんなもんに興味は無いよ!』とカッコつけたのでホッとした。
でもこいつらがいまだに妻の画像を持っているのかと思うと、暗い怒りが湧き起こってくる。
「で、そのうち本番まで撮るようになりましてね」
「本番まで?よくその子がOKしたなあ?」
「もちろん始めは嫌がってましたけど、最初はカメラを遠くに置いて体の上に布団も掛けた状態で撮り始めたんです。で、だんだん馴らしておいて最後は接写!」
「さらにハメ撮り!四十八手すべて見せていただきました。当時のビデオテープで10巻ぐらいあったかな?お世話になりましたよ、あれには」
竹下と根岸が顔を見合せて笑っている。僕は怒りを通り越して頭が真っ白になっていた。
そしてその真っ白な頭の片隅で、『なんとかそのビデオを見る方法は無いものか?』とも考えていた。
「う~ん、ホンモノの悪人だなお前ら。オレにも娘がいるから許せんぞ!」
遠山の怒るフリに竹下たちが慌てた。
「と、遠山さん、怒らないでくださいよ。そのテープだって僕ら以外には誰にも見せてないんですから」
あんなに自慢げにしゃべっていたのに、取引先の顔色一つで急に卑屈になる。下請けなんてみんなそんなものだ。
もちろんうちだって例外では無い。
「ハハハ、冗談だよ。でもそのお嬢さんとはキレイに別れてやったんだろうな?」
「まあ、いろいろありましたけどね。オレには他にも何人か彼女がいて、それで揉めたりするうちになんとなく別れちゃったってとこですかねえ」
「その子は可愛かったのか?」
遠山の問いに答えたのは根岸の方だった。
「顔はまあまあでしたけど、体は良かったっすね。それよりなにより素直な性格がよかった。本来なら社長と付き合うようなタイプじゃなかったんですよ。親孝行でね。たしかお父さんが墓石を彫る職人だかって言ってましたね」
…間違いない。妻の亡父は石工だった。
(つづく)
2010.04.19 Mon
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背徳エッチへのお誘い
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背徳エッチへのお誘い 4
「おまえ、オレが別れた後、由美に一所懸命モーション掛けてたもんな」
竹下がそう言って根岸をからかった。
「社長!それは言わないでくださいよ!」
「アハハ、そうだったのか?で、その子は今どうしてる?」
「こっちの県にお嫁に来てるみたいですね。今頃は子供の2、3人もいるんじゃないですか?でもね…」
竹下が思わせぶりに言葉を切った。
「一度だけ由美から手紙が来たんですよ…結婚はしたけれど、今でもあなたのことが一番好きでした…みたいなこと書いてあったなあ」
「カア~!この色男!お前んとことは取引中止だ!」
「エエ~!遠山さん、お願いしますよ!」
バカ騒ぎする3人を前に、僕は力なく立ち上がった。
「どうした?真っ青だぞ」
いきなり立ち上がった僕に遠山が心配そうに声を掛けた。
「ああ…今夜は悪酔いしたみたいだ。帰るわ」
「そうか?今日の土曜も働いてたんだろ?明日はゆっくり休めよ」
「ああ…じゃあ」
僕が帰りかけると竹下と根岸が立ち上がり、最敬礼した。
「お疲れ様でした。社長、うちとの取引も検討してください」
竹下の声にあいまいな笑顔で応え、僕はその場を後にした。後ろ姿に竹下と番頭が深々と頭を下げている気配に辟易しながら。
幸いタクシーはすぐに捕まった。
僕はシートに身を沈めながら今夜偶然聞いてしまった事柄を反芻していた。
竹下たちが面白可笑しく話した『ヤタベユミ』については、ほぼ妻の由美のことだと考えて間違いないだろう。
年格好から父親のことまで指摘されては疑い様が無い。
(それでも確定したわけではない。同姓同名がいるかもしれないし、奴らのでっち上げの可能性もある)
そうも考えてみたが気休めにしかならなかった。
もちろん10年も前の過去の話だ。妻にもいろいろあったのは仕方が無い。ただ、それをあからさまに最初の男に曝されたことが衝撃だったのだ。
この分では竹下たちはいろんな場所でこの話を吹聴しているのかもしれない。
同じ業界でもあるし、いずれ妻の耳に入る可能性だってあるのだ。
だからと言ってどうしようというのだ?
竹下に『もう妻のことは話さないでくれ』と頼むか?
バカな。かえって話が派手に広がるかもしれない。
放っておくしか無いのだ。竹下なんかと今後付き合う必要は無いのだから。
そうすれば今後も静かで幸せな家庭を守ることが出来るのだ。
程なく自宅に着き、妻の由美が出迎えてくれた。
「お帰りなさい。早かったわね」
由美はいつものように明るい笑顔で迎えてくれ、反射的に僕も笑顔で返した。
帰宅した時の儀式。子供が起きている時間なら、揃って出迎えてくれる。
よく出来た嫁さんだと思う。
(つづく)
(スマイルジャック情報)
久しぶりの『スマイルジャック情報』です^^
火曜から1泊で山梨県の方に旅行に行きますので、『エッチなおはなし』はお休みします。
一応簡単な旅行記は旅先からアップしますので、よかったら『
スマイルジャック日記
』の方をお読みください。
でわでわ^^
2010.04.20 Tue
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背徳エッチへのお誘い 5
「ちょっと飲み過ぎてしまった。風呂に入って寝るわ」
僕は手早くシャワーだけを浴びると、由美が用意してくれたパジャマに着替え、一階の奥にある寝室に入るとさっさとベッドに潜り込んだ。
悪酔いしていたのは事実だった。
あまり酒に強くない上に余計なことを聞いてしまったせいか、目を閉じると脳ミソがぐるぐる回るようだ。
妻はキッチンでまだ家事をこなしている気配。
『真面目で働き者の奥様』。
30人ほどいる従業員にも妻の評判は上々だ。
『由美ちゃんは苦労を知っているから人間が出来ている』
うちで40年働く工場長の菅原さんはそう言っていつも妻のことを褒める。
僕は枕に後頭部を押し付けたまま、由美との出会いを思い出していた。
由美は得意先のひとつで事務の仕事をしていた。
容姿は控えめで何事にも目立たないタイプではあったが、派手なもの全般が苦手な僕には、なぜか由美の事務職の制服姿にそそるものを感じさせた。
顔を合わせれば二言三言交わすようになったものの、25歳にもなって女に免疫が出来ていなかった僕は、由美の制服を盛り上げる形の良い胸元に目をやって一人密かに顔を赤らめたりしていた。
由美は僕より四つ年下だった。
3ヶ月ほど経って初めてお茶に誘うことが出来た。
由美の帰りぎわを狙って訪問し、いかにもついでにと言う風に食事に誘ったのだが、所用があるのでお茶だけならと言われ、近くのコーヒーショップに入ることになった。
そしてそこで由美から、その月一杯で今の会社を辞めることを聞かされた。
「私は派遣ですから契約期間が終わったのです」
「…谷田部さんは真面目で仕事が出来る人だから、次の仕事もすぐに見つかるでしょ?」
僕は少なからず受けたショックを隠しながらそう言ったが、由美は、
「父が入院していて看病があるし、時間の制約もあるのでなかなか難しいですね」
と、寂しげな笑顔を浮かべた。
「病気って…重いの?」
由美のあいまいな笑顔を見て、いきなり不躾な質問をしたことを恥じたが、少し間を置いて、
「うちは母もいないので、私が面倒を見るしかないのです」
と答えられ、僕は咄嗟に、
「じゃあうちで働けばいいじゃない。悪いようにはしないから」
と息急き切って告げていた。
「うちもパソコンを使える事務の人を探していたんだ。最初はパートタイマーとして入ればいい。それに…病院はどこ?」
「…能率大の附属病院ですけど」
「それならうちの会社からも近い!ね、そうしなよ」
僕のどこにそんな積極性があったのかいまだに謎だ。事務職を募集しているというのも咄嗟のでまかせ。そして戸惑う由美を押しまくって、ついに転職を同意させたのだった。
数日後には由美を会社に同行し、『この人に働いてもらうから』と社長である父と専務の母に告げた。
当時の僕は、大学卒業後2年間のメーカー勤務のあと、父が経営する部品製造会社に入社して2年目。肩書きこそ営業課長だったが、まだまだ見習いの身だった。
人事全般を見ていた母は『勝手なことを…』とぶつぶつ言ったが、父はなにやら感じるものがあったのか何も言わなかった。
(つづく)
2010.04.22 Thu
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