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年末に自宅に帰っていたエリナが、大晦日には祐実のマンションに戻ってきた。
「なんだ。新年は家で迎えないのか?」
「ユミさんに一人寂しく年越しはさせられませんから」
「…余計なお世話だ」
「嬉しいくせに」
今では自分の家財道具も運び込んで、すっかり居候が板に付いたエリナ。自宅から持ち込んだおせち料理の重箱や年越しそばの準備を手際よくさばいていく。
夜は、エリナがわざわざ持ってきたこたつに入って、のんびりと二人で紅白歌合戦を観覧した。
「紅白なんて見るの何年ぶりだろ」
「先輩、今度カラオケに行きましょうよ。AKB48って知ってますか?」
「…それぐらい知ってるよ。年寄り扱いするな」
北島三郎が歌う頃、エリナが年越しそばの準備を始め、『ゆく年くる年』を見ながらそれを食べていると新年だ。
「先輩、あけましておめでとうございます」
「おお!今年もヨロシクな」
「あっ、急がなくっちゃ!」
エリナが慌てて廊下に走り出て行き、そして戻ってきた。
「新年早々、なにバタバタしてるんだ?」
「先輩、お風呂の準備が出来ました。一緒に入りましょう!」
「ハア?なんでおまえと風呂に入んなきゃいけないんだ?」
「うちは家族揃ってお風呂で除夜の鐘を聞くのが恒例なんです」
「家族揃ってって…おやじさんも一緒にか?」
「そうですよ」
「ウワ~!おまえんとこは変態家族か?」
「ひどいこと言いますね。家族なんだからいいんです。さっ、入りますよ」
「やだよ!一人で入れ!」
「いいから早く!除夜の鐘が始まっちゃいます!」
「絶対にイヤだ!」

結局一緒に入ってしまった。
いかにセレブのチームオーナーが所有する広いバスルームとは言え、170センチ68キロの祐実と、175センチ60キロのエリナが同時にバスタブに入れば体も密着せざるを得ない。エリナのしなやかな肢体を目の当たりにし、時々触れ合う体の感触に思わず照れてしまう祐実だったが、エリナはいたって平気。
「あっ、除夜の鐘だ!」
と、白い胸もあらわに嬉しそうだ。
祐実もエリナの前で裸体を晒すのは初めてで、そのたくましい筋肉を見せるのもなにやら恥ずかしいが、祐実は気にした風も無かった。
(つづく)

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2010.12.29 Wed l 泣き虫エリナ l コメント (2) トラックバック (0) l top