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翔の泣き声を聞いてからの二人の行動は早かった。
「翔!ちょっと待ってなさい!」
詩織さんが叫ぶと、マコト君が慌ててシャワーで詩織さんの体のソープを洗い流してやります。
「ありがとう。ここを出たら翔をリビングに連れて行くから、マコト君はその隙に2階に上がってて」
「は、はい」
急な展開にマコト君も焦っているようで、さっきまで、あんなにピンピンしていたオチンチンも急速に縮こまって今は通常状態。そんなペニスに名残り惜しげな視線を走らせてから、詩織さんはバスルームを出て脱衣室に入ると、素早く体を拭きにかかります。
翔は、いまだに廊下で、『ママーッ!』と泣き叫んでいる。
マコト君が同居して以来、ずいぶんと成長したと思われた翔君も、お昼寝から覚めて母親の姿が見当たらないことに急に不安になり、パニックに陥ったのでしょう。
でも、翔にマコト君と一緒にお風呂に入っているところを見られるわけにはいきません。いくら幼いとは言え、いえ幼いからこそ父親の昌明さんに、どんな風に伝えるかわかりませんからね。
詩織さんは、素早く体にバスタオルを巻いて廊下に出ると、そこで泣いている翔を抱き締めてやりました。
「ごめんね翔!ママ、シャワーを浴びてただけだから…」
泣きじゃくる翔の体を抱いてやると、小さな息子は、ひしっと母親に抱き付き、『ママーッ、ワ~ン!』と、さらに声を張り上げて泣きました。そして、そんな翔が愛しくって、いつの間にか詩織さんも抱き締めながらもらい泣きしていたのでした。

翔を抱いてリビングに移動し、やっとあやしつけた頃、服を着込んだマコト君が現れました。
「おっ!翔、今日は甘えん坊さんだな」
マコト君のからかいに、翔は拗ねたようにツンと横を向きます。
「翔、ママ、お洋服着てくるから、ちょっとだけマコちゃんと遊んでてね」
いまだ裸にバスタオルを巻いただけの詩織さんにそう言われ、翔は不承不承ながら、やっとママから離れました。詩織さんは視線で、『マコト君、お願いね』と託し、再びバスルームへと向かいます。
「翔、何して遊ぼうか?」
「ん~と、仮面ライダーW!」
「ヨシッ!マコちゃんはドーパントだ!」
二人のそんなやりとりを聞きながら、詩織さんは脱衣室に戻り、衣服を身に付け始めました。
『これでよかったのだわ。あの時、翔が泣かなければ、私たちはどうなっていたのやら…やはり神様は見ていらっしゃる。もう、あんなふしだらな行為は二度としないとお誓いしますわ』
詩織さんは敬虔な気持ちで神様に懺悔しながら、ショーツに脚を通したのでした。

翌日、マコト君は信州へと帰郷して行きました。
前日、翔に泣かれた後は、お風呂でのことなど無かったように、詩織さんとマコト君は普段通りに振る舞いました。
懺悔して反省した詩織さんはもちろんのこと、マコト君も、決して詩織さんに特別なサインなど送っては来たりはしなかった。
そして、夜、旦那さまの昌明さんが帰宅した後、ささやかながら家族に送別会を開いてもらって、マコト君は照れていたのでした。
「兄さんは、夏休み中には帰省出来ないの?」
「うん…今、仕事がいろいろ大変でな。そのうち帰るから、両親によろしく言っといてくれ」
「マコト君、里心が付いて、東京に戻ってくるのが嫌になるんじゃないの?」
詩織さんが、からかい半分、心配半分で言ったのですが、
「いえ、バイトもあるし、1週間で戻ってきます!」
と、きっぱりと答えたのでした。

夜、詩織さんたちが夫婦の寝室に入った後、昌明さんが、あらためて、
「マコトのヤツ、ゆっくりしてくればいいのに…悪いな詩織」
と、気を遣ったのですが、詩織さんはニッコリ微笑んで、
「大丈夫ですよ。翔の世話の延長程度のことですから」
と、明るく答えました。
(つづく)

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2011.11.27 Sun l My Lovely Little Brother l コメント (2) l top