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やがて幹事役の直美さんが、
「さあ、時間だからそろそろ行くわよ」
と声を掛けたのを合図に、4組のカップルがそれぞれ席を立ったのでした。
カラオケボックス前の路上で解散すると、即席のカップルが手を繋いだり腕を組んだまま、てんでの方向へと夜の街に消えて行きます。
残された由紀さんと祐二クンも、いつしかしっかり手を繋ぎあって、酔客で賑わう街をふらふらと歩き始めました。

「なんかキレイ!ここは何?」
しばらくあてもなく歩くうちに、『ホテルラッフルズ』と鮮やかだけど意外と上品なイルミネーションの灯った建物の前に二人は立っていて、由紀さんは祐二クンと腕を組んだまま可愛こぶって聞いてみたのでした。
いい歳をして、『ここは何?』も無いでしょうが、そこは男女間の絶妙の間合いとでも言うものでしょう。
「ここは…いわゆるラブホですかね?」
「ラブホかあ…中はどうなってるのかしら?」
甘えたような疑問型。すっかり昔の悪癖に支配されている由紀さん。
「さあ?…じゃあ、試しに入ってみましょうよ」
そう言うや否や、祐二クンが腕をしっかりと組んだまま、スモークガラスの自動ドアの中に入ってしまったのでした。
思わぬ祐二クンの積極性に引っ張り込まれてから、
「エッ?ウソ?」
と、慌てるふりを見せるのも男女の機微というもの。
かくして二人は、いわゆるラブホの一室へと無事収まったのでした。

部屋に入ると、急に祐二クンがそわそわし始めました。
一方、ここまで来たら開き直りの由紀さんは、
「まあ、人妻をこんなところに連れ込んで、どうするつもり?」
なんて流し目で抗議したりして。
するといきなり祐二クンがソファの上に正座すると、
「由紀さん!僕、経験が無いんです。教えて下さい!お願いします!」
と、土下座する勢いなのです。
「へ?経験無いの?あんたいくつだっけ?」
「…22ですけど」
う~ん、けっこう遊んでる子かと思ったのに…意外な展開です。
「そうなんだ…祐二クン、可愛い顔してるから、いろんな女の子と付き合ってきたのかと思ってた」
「お友だちまでは進めるのですが、どうしてもそれ以上は…僕って押しが弱いんです」
妙に気弱なことを口にする祐二クン。
由紀さんは少し考えてから、
「祐二クン、お母さんのこと好きでしょ?」
と、聞いてみました。
「え?そりゃまあ親ですから…」
いきなりそう問われて、ちょっと憤慨な祐二クンでしたが、由紀さんは、『やっぱり』と思いました。
女は本能的にマザコンを嗅ぎ分けるのです。
プチイケメンでトークもイケてる祐二クンですが、マザコンだと感じれば、若い女の子は引くのかもしれません。
だからこそ10歳も年上の由紀さんにネコのようになついてきたのかもしれません。
『ヨシッ!ここでこの子を大人にしてあげなければ女がすたる。人妻の名に掛けて、立派な男にしてあげよう!』
まだまだ酔いで痺れた頭で、由紀さんは使命感に燃えたのでした。
(つづく)

2010.02.19 Fri l シャッフルズホテル l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

それにしても女性って
どこでマザコンを見分けるンだか?。
由紀さんも祐二君に頼まれて「人妻の名に懸けて、立派な男にしてあげよう」というナカナカ立派な?使命感に目覚める始末だしどうなる事やら楽しみだわ(笑)
使命感?に目覚めた由紀、そしてはじめてを迎える祐二君、さぁどうなる?。

次回 シャッフルズホテル 第5話 入れる所を間違えるな祐二!。
2010.02.19 Fri l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
なんとなく雰囲気でわかるんじゃないでしょうか?
年上だからこそ、使命感に燃えるのかもね^^
たしかに初めての時は場所が分からないもの。
そこら辺は、由紀さんのリードに任せましょう^^
2010.02.19 Fri l スマイルジャック. URL l 編集
えっ?
祐二くん、チェリーっすか~?^^;
やっぱりこう言う場合、姐御肌の由紀さんとしては 使命感に燃えるのかな?
私ならきっと、遊んだ後でヤバいことにならないか?…とか、考えて引くだろうな~^^;
性格の違いでしょうね(笑)
筆下ろしは 未経験です…(^^ゞヘヘヘ
2010.02.19 Fri l ろおりん. URL l 編集
ろうりんさんへ^^
普通はろうりんさんのいうように、『後でやばいことに…』と、考えるのでしょうが、なんせ酔うと性格の変わる由紀さんですから^^;
筆おろしは難しいですよね。
僕はプロの方に任せた方がいいと思いますが、ずっと年上の人もいいですね^^

僕も初めての女性とは経験ないです^^;
2010.02.19 Fri l スマイルジャック. URL l 編集

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