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もの心ついた頃から、夏休みには母の実家のある西日本のとある地方都市へ泊まり掛けで遊びに行くのが恒例となっていました。
母は両親を早くに亡くしたため、田舎では母の妹である雅子叔母さんちで泊まることになります。
母と雅子叔母さんはとても仲の良い姉妹で、帰省するとずっと二人で楽しそうにしゃべっています。
雅子叔母さんは結婚はしているけど子供がいないので、僕が遊びに行くとまるで自分の子供のように可愛がってくれます。
僕は、そんな雅子叔母さんのことが大好きで、幼い頃から夏休みの里帰りが大きな楽しみになっていました。
また、雅子叔母さんの旦那さんである亮一叔父さんは、幼かった僕を山に連れ出しては虫獲りや川釣りを教えてくれました。
はじめは蝶々にすら触れなかったへたれな僕でしたが、亮一叔父さんに叱咤されながら徐々に慣れて行き、やがて釣り竿に自分で捕ったエサを付けて、川魚を釣り上げるまでに成長していました。
亮一叔父さんは口は悪いけど実は優しい人で、仕事一筋であまり構ってくれない僕の父とは対照的。長身でたくましく、物知りな叔父さんのことを僕は密かに尊敬していました。

母の郷里では、8月のお盆の時期に、『はだか祭り』と呼ばれるお祭りが開催され、最近では多くの観光客を集める全国的にも有名なお祭りになっていました。
江戸時代から続くというこのお祭りは、ふんどし一丁になった男衆が御神輿(おみこし)を担ぎながら走るという豪壮なもので、小さな繁華街を御神輿を担いだまま全力疾走で駈け抜け、町外れの神社にどの地区の御輿(みこし)が一番に到達するかを競う一種のレースみたいなもので、転倒して御輿の下敷きになるなんて事故はしょっちゅうのこと。時には死人が出ることもあるという荒っぽいお祭りです。
あまりに危険ということで、かつては警察から中止勧告が出たこともあったそうですが、観光客が集まり始めてからは町起こしの重要なイベントと位置付けられ、警察も協力的になって今では県警チームとして御神輿を担ぐ側に参加しています。
そして、道路を疾走する御輿の両側には色とりどりの浴衣姿の女衆が陣取って、ふんどし姿で汗みどろに走る男衆たちに、キャーキャー声を掛けながら柄杓で水をぶっかけるのです。
その野卑なまでの豪快さの前に、東京でおしとやかに育っていた幼い僕は恐怖を感じてすくみ上がってしまいました。それでも小学校も中学年になる頃には、一丁前に六尺褌を締めて御神輿を引かせてもらうようになる。
もちろん御神輿と言ってもいわゆる子どもみこしで、しかも走るのは禁止。それでも褌一丁で頭にねじり鉢巻きを締めてもらえば、なにやら大人になったような気分になって、仲間たちと『エイヤー!エイヤー!』と気合いを入れながら練り歩いたのでした。

昔は御神輿を引くのは男衆だけと決まっていたそうですが、男女同権の時代になるとそうも言っておられず、女子もどんどん参加するようになりました。
もちろん女衆の場合は褌一丁ってわけにはいきませんが、白い股引に上半身は白い晒しを巻いた法被姿。それで威勢よく女御輿を担ぐ姿は「いなせ」で、子どもの僕が見ても『カッコイイ!』と思ったものでした。
小さな女の子の中には、男と同じように褌姿の子もいました。親は、記念になると思ってそんないでたちにさせるのでしょうが、男の子たちにとっては眩しいもので妙に浮ついてしまう。
僕が5年生の頃、同い年で遠縁にあたるユミちゃんが、褌姿で女御輿を引くのを見た時は衝撃的でした。一緒にお風呂に入ったこともある仲でしたが、褌が食い込む真っ白いお尻を見て、胸がドキドキと高鳴り、思わずチンコが立ちそうになった。
ただし、女の子の褌姿を目当てとしたカメラ小僧が大挙押し寄せるようになり、その画像をネットに晒す不届き者が増えたことにより、教育委員会と警察の指導により、その年を最後に女子の褌は年齢を問わず禁止されることになりましたが。
(つづく)

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2012.03.24 Sat l はだか祭り l コメント (2) l top

コメント

なんだか
昔ながらの祭りや風物詩が無くなってくるんですねぇ。ホントに味気ない話です。俺も女の裸祭り見たかったなぁ。
2012.03.25 Sun l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
碇でさん、いつもありがとうございます<(_ _)>
最近でもお祭りは盛んだと思うのですが、なにやらモダンになり過ぎて、『ちょっと違うぞ!』って感じですよね。
刺青者が見たいわけじゃないですけど、豪快さに欠けるような…
これも時代でしょうか。
2012.03.26 Mon l スマイルジャック. URL l 編集

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