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高校時代からの親友の恵(めぐみ)から食事のお誘い電話がありました。
恵は、若くして結婚したもののすぐに離婚。今は有名通販会社のスタイリストとして活躍しています。たまに深夜の通販番組に出演していたりして。
『それがさあ、仕事の関係で柴田君に会っちゃたのよ!』
「柴田君?」
『柴田英和よ。ほら、高2の時、同じクラスだったでしょ?』
「…あっ!」
わたしの胸にキュンとした稲妻が走りました。
『それで今でも朋子と仲良くしていることを話したら、ぜひ一度会いたいって。だから3人で食事しよ。木曜日の夜、大丈夫でしょ?』
「…う、うん、大丈夫だと思うけど。一応旦那に聞いてみる」

柴田英和は、私たちが通っていた高校ではちょっとした有名人でした。
ルックスが良くって成績優秀、しかも実家はお金持ちのお坊ちゃま。背は特別高くはなかったけれど運動神経もよく、弱小ながらバスケ部のキャプテンを務めていました。
彼の周りには、いつも人が集まって賑やかで、男子からも女子からも、さらには先生方からも好かれる学園の人気者。
私もそんな彼を慕っていた一人だったけれど、ほとんど会話を交わしたことすら無く、ただ遠くから眺めていただけでした。
高3の時には違うクラスになってしまったので同窓会で一緒になることも無く、噂では慶応を出て大手の出版社に勤めていると聞いていましたが。
そんな彼が私の名前を覚えていることすら驚きでした。
夜、正樹さんに、
「恵たちと食事に行ってもいい?」
と聞くと、案の定、快く了承してくれました。でもなぜか柴田君のことは話せなかった。後ろめたいワケではないのですが、なんとなく主人には話したくなくって…

木曜の午後6時に、私たちは新宿伊勢丹近くにあるイタリアンレストランに集まりました。
カジュアルなお店を予想していたのに、三ツ星フレンチ級の立派な店構えに圧倒された。
「お待たせ!」
少し遅れてきた柴田君は、年齢を重ねてカッコよさに渋さを兼ね備えている印象。昔よりさらに男の魅力を増した感じです。
「柴田君は若くして偉くなってるみたいだから、ここはご馳走してもらいましょう!」
相変わらず恵は奔放です。
「立花さん、お久しぶり。あ、今は苗字が違うんだよね?」
「そう、朋子はもう人妻なんだから手を出しちゃダメよ」
「やめてよ恵。専業主婦だからすっかりおばさんになっちゃって…」
「そんなことないよ。高校時代と同じで、すごく魅力的だ」
…憧れの柴田君からそんなこと言われるなんて!思わず頬が熱くなります。
「あら?もしかして、私ったらおじゃま虫?」
恵がまぜっかえしました。
(つづく)

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2012.08.15 Wed l 浮気の効能 l コメント (4) l top

コメント

今回は
いかにも「浮気へのプロローグ」って感じのお話ですな。とりあえず柴田くんとの絡みが楽しみ(笑)。
2012.08.16 Thu l 大高忠敬@元私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
No title
こんばんわー^^

浮気へのプロローグ
こういうときって必ず

お膳立てしてくれる
第3者のおんな友達が
登場しちゃうんですよね(*^o^*)♪
2012.08.16 Thu l 林檎. URL l 編集
大高忠敬@元私の碇で^^
たしかにプロローグですね^^
比較的早いうちに本編が始まりそうです。
2012.08.17 Fri l スマイルジャック. URL l 編集
林檎さんへ^^
惠みたいな狂言回しは必要ですね。
この後、3P突入はありか?!
2012.08.17 Fri l スマイルジャック. URL l 編集

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