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その夜は、僕の母を交えた3人で外食に繰り出しました。
銀座の裏通りにある静かな和食の店で、美味しい食事と日本酒をいただく。
久しぶりに揃った3人が、ゆっくりと時間を掛けて食事をしながら会話を弾ませるのです。

最近、母はずっとご機嫌斜めでした。どうやら恋人と別れてしまったらしいのです。
ここで少し、うちの両親についてお話しておきましょう。
うちの両親には、ともに恋人がいて、特に父親は愛人宅に入り浸り状態。
それに対抗したわけでもないのでしょうが、母は父の部下と深い仲となり、堂々と享楽な日々を過ごしていました。
そして詳しい内容は知りませんが、その母の恋人が父の会社の金を横領していたことが発覚し、父が会社から追放したのです。
母としても、さすがに男との関係を続けるわけにはいかずに別れたらしい。さらに父から責任を問うように叱責もされ、ずっと拗ねていたのでした。
いつもは我儘勝手な母ですが、その贅沢な生活を支えているのは父の収入なのですから、最終的には父の意志には逆らうことは出来ないのです。
普段は母が誰と寝ようが寛大な父でしたが、不正に対して厳しいのはさすがだと思いました。
その男と別れて以来、母は明らかに欲求不満で、それが不機嫌の原因なのは確実。そんな母を見兼ねて、友達の誰かをボーイフレンドとしてあてがおうと本気で思い始めた時の景子叔母の上京。もっけの幸い、これで母の気持ちが晴れてくれればいいのですが。

景子叔母は、淡いブルーのワンピース姿で、いくつになっても清純派なのです。
不機嫌だった母も、妹との再会で珍しくはしゃぎ気味。
「純一、彼女出来たの?」
お酒でほんのり眼のふちを染めた景子叔母が、わざとらしい質問を浴びせてきました。
「いや、相変わらずモテないんですよ」
「よく言うわ。この間も深夜に女の子が押し掛けてきて、大変だったのよ」
「いやあ、あれは彼女の誤解なんです」
「…相変わらずお盛んね」
「まったく誰に似たのやら。いろんな畑に種を播きたいのは男の本能かしら?」
僕は心の中で、(お母さんには言われたくない)と、突っ込んでいました。
「そう言えば、純一が大阪に遊びに行った時には迷惑かけたわね」
「あら、迷惑だなんて。私たちも楽しかったわ」
『私たち』と言うのは、景子叔母の家族を指すのか、それとも恵美さんも含めているのか。さすがの母も、大阪では景子叔母を交えた変則3Pを楽しんだとは思いもしないでしょう。

僕らは和やかに会食を終え、タクシーで帰宅したのは午後10時を回る頃でした。
僕らはリビングでコーヒーを飲んだのですが、まず母がお風呂に向かいました。
景子叔母と二人きりになり、ついつい顔を寄せてのひそひそ話になります。
「純一、恵美さんのことが忘れられないんじゃないの?」
「もちろん恵美さんは素敵な女性ですが、僕が本当に忘れられないのは叔母さんのことなんです。特に、一緒にお風呂に入った記憶が、あまりにも強烈で…」
「…忘れなさい、そんなこと…」
景子叔母がポッと頬を染めました。
(つづく)

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2013.11.13 Wed l 素敵な叔母さん・東京編 l コメント (1) l top

コメント

なんだか
主人公のお父さんもお母さんもなんだかねぇ^^;。
真面目なのは景子さんだけですか………。

つうかオイラの所にも警告きましたよ………。
本格的にFC2に移転しようかなぁ……。


2013.11.14 Thu l 大高忠敬. URL l 編集

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