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思わず目を開いた僕と竹下の視線が合ってしまった。
「あっ、お目覚めですか?」
竹下が慇懃な表情を作る。プレイボーイを気取るだけあって整った顔立ちだが、茶色く染めた髪がなにやら薄汚く、流行遅れのホストの風情だ。
うちの会社は竹下の資材販売会社とは取引は無いが、あわよくば食い込もうと思うからこそ、こんなパーティーにもノコノコ出て来るのだろう。うちの会社に対しても色気たっぷりだ。
「おっ!西崎起きたか。なんだ飲み過ぎたのか?」
遠山が酔って快活過ぎる声を上げた。
「いや…少し疲れてるのかもしれない」
「働き過ぎだよ。西崎はな、下ネタ嫌いで有名なんだ。女は奥さんしか知らないって噂だぞ」
よけいなことを…
「それはそれは、奥様はお幸せですね」
番頭の根岸が如才無く笑いかけてくる。うるさいんだよ太鼓持ちめ。
ただ僕としてはそれどころでは無かった。
竹下の口から出た『谷田部由美』という名前。そうそうある名前では無いし、同じ高校で年代的にも妻のことに間違い無いように思うのだが、まさか僕の方から確認するわけにもいかない。
なにやら黒い胸騒ぎが渦巻き始めた。
「で、そのなんとか言う女子高生をどうしたって?」
ひとしきり僕を肴にした後、遠山の方から竹下たちに話を振った。
僕は緊張を気付かれないよう、氷が溶けて薄くなった水割りのグラスを口に運んだ。
「ああ谷田部由美ですね。ひとつ後輩なんですが、オレが高二から高三にかけて付き合ってたんですよ。その子が高一の時に処女をいただいて、その後ズルズルと付き合ってました」
竹下が妙に淡々と話しはじめ、子分の根岸が話を引き取った。
「由美ちゃん、社長にぞっこんでしたからね。回りから見ていていじらしいぐらい。でも社長にはいろんな女がいたから。で、その子をオレみたいな同級生までがなぜ忘れられないのかと言うと、彼女のエッチな体を隅々まで見せてもらったからなんですよ」
根岸には慣れた話のようだが、僕は激しい鼓動の高まりを覚えていた。
「ん?どういうことだ?」
せっかちな遠山が先を促した。
「つまり、社長と違ってオレみたいなモテない男子高校生は女の体なんてなかなか見られないわけッスよ。で、社長に…って当時は同級生ですが『由美ちゃんの裸見て~!』って冗談半分に言ったら『見るか?』って言ってくれましてね」
僕は息の詰まる思いで水割りを舐めた。
「なになに?どうやって見せてやったんだ?」
「さすがにライブじゃ無理ですからねえ。で考えたのがビデオ撮影」
「なんだ盗撮か?」
「いえいえ、僕が由美に撮らせろって迫ったんですよ。もちろん連れに見せるなんて事は言いませんがね」
答えた竹下の口調が少し自慢っぽく蓮っぱに変わってきた。
「なんだなんだ?そうやってその子のヌードをみんなで拝んでたのか?」
遠山は呆れていたが、竹下が自信たっぷりに話し始めた。
「最初は服を着せたまま記念撮影だとか言っていろんな場所でビデオを回し始めたんですよ。で、自分の部屋に連れ込んで、酒とか飲ませて、おだててるうちにとうとう脱いじゃいました」
(つづく)
2010.04.18 Sun l 背徳エッチへのお誘い l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

ビデオ撮影ってのは
高校生のくせになかなか凝った趣向ですねェ。
さて主人公は奥さんをビデオ撮影するンでしょうか
?。なんかこの奥さんおとなしそうに見えて、すごく不良だった過去があるんかな?。

西崎は妻の過去を聞いているうちにある事を思い浮かべる・・・・・・・。

次回 背徳エッチへのお誘い 第3話 西崎の知らない妻が見えてくる!
2010.04.18 Sun l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
西崎の知っている由美はおとなしくて従順の女です。
ここで初めて妻の別の顔が見えてくるわけですが、実際にその顔を見ることが出来るのか?
いよいよ西崎の苦悩が始まるのです。
2010.04.19 Mon l スマイルジャック. URL l 編集

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