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「なんなの?あいつ…」
いつもの主役の座を奪われたユリエは、隅っこでゆきえを相手にクダを巻きながら悔しがったが、奈緒のこの手の要領のよさには誰も対抗出来そうに無い。オヤジ連中の扱いの巧みさはまるでキャバ嬢、しかも『嬢王』クラスなのだ。
「奈緒ちゃ~ん!こっちに来てくれないと寂しいよ~」
酔っ払ったユリエの父親のヒロシ(ゆきえにとっては伯父)が、甘えた声で奈緒を手招きしている。
「ハ~イ、ヒロシ君、お酌してあげようねえ」
場違いなマイクロミニで、スラリとした太もももあらわな奈緒に、オヤジたちはもう夢中。カットソーから覗くピンクのブラチラも妖しく、とても高2とは思えないお色気を発散しまくっているのだ。
しかも、みんなに勧められて、お酒もかなり飲んでいるらしく、ヒロシにしなだれかかってお酒を注いでいる。
「なによ!人の父親に向かって『ヒロシ君』って。何様のつもり?」
荒れるユリエには全く気付くことなく、ヒロシは、
「奈緒ちゃんは可愛いね。オジサンお小遣いをあげようかな?」
とか、やにさがって、ユリエをいっそう苛立たせる。
「エエ~、ホントですかあ?でも、私に関わると高く付きますよう」
奈緒のからかいに、
「大丈夫大丈夫。オジサン、お金持ちだから」
と、けっこうマジな顔で答えたりするヒロシを見て、周りの連中が、『おい、ヒロシが妻子を捨てる気だぞ!』と、かき回して爆笑の渦。
明らかに大広間は、奈緒を中心に大盛り上がりを見せていた。

「ハ~イ、ゆきえ、ユリエ。ゆきユリコンビ、隅っこで二人して、なにブーたれてんの?」
広間を一巡した奈緒が、ゆきえとユリエの席にやって来た。
「ちょっと奈緒ちゃん、酔っ払ってんの?飲み過ぎよ!」
「高校生のクセにお酒なんか飲んで!」
「なんだよユリエ!あんたが仏頂面してるから、かわりに私がサービスしてやったんじゃないのよ!」
「なによ!誰がそんなこと頼んだ?」
「ちょ、ちょっと二人ともケンカしてないで…そうだ!お腹もいっぱいになったし、そろそろお風呂に入らない?ここのお風呂、すっごく広いんだよ。3人でパーッと入ろうよ!」
ゆきえの懸命の提案も、ユリエが、
「イヤだ。こんなヤツと一緒になんか入らない!」
と、あえなく却下。
「おっ!さてはユリエは体にコンプレックスがあるんだな?まあ、私のナイスバディで自信喪失させちゃったら悪いからね。ゆきえを見てもわかるけど、貧乳が一族のDNAみたいだからさ」
そ、そこまで言うか…
付き合いの長いゆきえも、さすがに唖然としたが、ユリエはすでに頭から湯気が上がる状態だ。
「だ、だれが貧乳よ!よし、いいわよ!その勝負受けて立つわ!」
(って、どんな勝負よ?)
結局、3人でお風呂に入ることになったのだが、おっぱい勝負に戸惑いいっぱいのゆきえだった。

「お?奈緒ちゃん、どこ行くの~?」
広間を出ていく奈緒たちを目ざとく見付けたヒロシが、酔いで赤くなった顔を向けた。
「ユリエちゃんとゆきえちゃんとお風呂に行くの。ヒロシ君も一緒に入る?」
「おお!いいのか?入る入る!」
ヒロシが半ばマジで応じれば、そこら辺のオヤジ連中が、『オレも!』、『ワシも!』と次々に手を挙げた。
「あんたたち、いい加減にしなさい!お父さん飲み過ぎ!」
ユリエの雷が落ちて、広間が一瞬静まり返り、3人の女子高生は、肩を怒らせたユリエを先頭に廊下へと出て行った。
最後に奈緒は、ヒロシたちに向かって、頭から角を出すポーズで笑った。
「なんだよユリエのヤツ…おっかないなあ」
「だんだん早苗さんに似てきてヒロシも大変だな」
広間が再び笑いに包まれた。
(つづく)

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2011.12.18 Sun l ゆきえの冒険・高校生編 l コメント (2) l top

コメント

やっぱり、こうなるんですね(≧∀≦)
しかしまぁ、ユリエちゃんってかなりおっかないんだなぁ・。ゆきえちゃんも将来ケンちゃんにブチ切れかましそうでかなり怖いと思う。
2011.12.18 Sun l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
結局、男は尻に敷かれた方がいいような気がする。
ユリエちゃん、なかなか魅力的な子でしょ^^
2011.12.23 Fri l スマイルジャック. URL l 編集

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