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「じゃあ、二人きりになったところで、あらためて乾杯」
柴田君はそう言ってグラスを合わせたのですが、何気に左手を私の膝に置きました。
(…ちょっと、あつかましい)
と、思ったけれど、なぜだかその手を振りほどくことが出来なかった。憧れの柴田君と触れ合っていると思うと、なんだかドキドキワクワクしてしまって…
「やっと二人っきりになれたね」
「柴田君…私に憧れてたなんて、そんないい加減なことを…」
二人きりになってしまった緊張を誤魔化すように私は口を尖らせて抗議しました。
「いい加減じゃないよ。ホントのことなんだから」
「だって、私こそ柴田君に憧れてたんだから、柴田君がそんな気持ちを持っていてくれたら絶対気付いたと思う!」
柴田君はワイングラスをテーブルに置くと、今度は私の手を優しく握りました。大きくて温かな柴田君の手のひら。
「朋子ちゃんはいつも静かに本を読んでいるイメージだったからね。僕なんかが声を掛ける隙がなかったんだよ」
「私…暗かったもんね」
握られた手を離されるのを怖れるように、私はおとなしく答えました。
「いや…暗いのとは違うな。静かだけど凛としてたというか…でも、朋子ちゃんこそ本当なの?僕に憧れてたって」
「そうですよ!全然気付いてくれないんですもの!」
思わず甘えて抗議するような口調ななってしまって自分でもビックリ。
「そうかあ…そのことを君が結婚する前に知っていたらなあ…」
私の頬がさらに熱くなりました。
「知ってたら…どうしたんですか?」
「プロポーズしたよ」
私は思わず柴田君の顔に見入ってしまった。
「…どうしてそんなことを言うの?人妻と遊びたいの?」
「いや、そういうわけじゃないよ。でも、僕の人生、今とは違ったものになったかもしれないと思ってさ…」
「…」
「ねえ朋子ちゃん、これからもこうやって会えないかなあ?」
「え…うん。また恵と3人で会いましょう」
「いや…出来れば朋子ちゃんと2人だけで会いたいんだけど…」
茫然とする私の両肩に手を置いた柴田君は、まっすぐに目を覗き込みながら言いました。
「ねえ、キスしてもいいかな?」
私は目を見開いて柴田君の顔を思わず見つめた後、
「…ダメです。厚かましすぎます」
と、ピシャリと言ってしまった。
「ごめん。厚かましいのは性格なんだ。再会を祝してのご挨拶キスだよ。深刻に考えないで」
ゆっくり顔を近づける彼。私は金縛りに掛かったように避けることが出来ません。結局、目を開けたまま柴田君のキスを唇に受けてしまった。お互いの唇が羽毛のように軽く触れ合って…
(つづく)

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2012.08.19 Sun l 浮気の効能 l コメント (4) l top

コメント

No title
こんにちわー^^

またスマイルさんったら
強引にこんな展開に・・

恋のアバンチュールのまくあけ?
あ~火遊びがはじまるう~ウラヤマシ
( ´艸`)
2012.08.19 Sun l 林檎. URL l 編集
というわけで
アバンチュールの始まりってわけですね(笑)。

身持ちの固い朋子さんがどう変わっていくのかが楽しみです。

オイラもアバンチュールやってみたいなぁ。
2012.08.19 Sun l 大高忠敬. URL l 編集
林檎さんへ^^
さすがにプレイボーイの柴田君、強引ですがスマートです^^
キスを受けてしまったらもう後戻りが出来るのか?
2012.08.23 Thu l スマイルジャック. URL l 編集
大高忠敬さんへ^^
貞淑な人妻がどう変わっていくのか…
ちょっと危ない火遊びですね。
2012.08.23 Thu l スマイルジャック. URL l 編集

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