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川添一平は、50歳を超えた今、まさに芸能界の大御所と呼ぶにふさわしい実力と人気、そして風格を備えていた。
大学を卒業してから一般企業でサラリーマン生活を経験した変わり種。
24歳の時、ひょんなことから映画の端役で芸能界デビューを果たすと、その後、誘われて出演した深夜のテレビ番組での一人コントが不思議な面白味を見せ、少ないながらもコアなファンを獲得。
折りからの漫才ブームで、関西からお笑い芸人が奔流のように押し寄せる中、独自の笑いのスタイルを徐々に確立し、自らの露出と知名度を高めて行った。
芸風を一言でまとめるとすれば、『ほのぼのお笑い系』とでも言えるだろうか。当時人気絶頂だったツービートや伸助竜介の毒舌漫才とは対照的に、決して下ネタや暴力的なネタに走らないトークに、罪の無いモノマネを織り混ぜるスタイル。これを、まず小さな子どものいるお母さんたちが支持し、意外や若い女性たちへとファン層を広げていった。
やがて、深夜の30分番組ながら、若手芸人たちが集まるバラエティー番組のレギュラーを獲得。その番組が話題を呼び、ついにはゴールデンタイムへと進出することになる。
プライベートでは、仲間内でも最も地味で目立たない一平だったが、なぜか本番になると光り輝きはじめ、コントでもトークでも、自ずと一平が中心になって行く。はじめこそ一平に主導権争いを挑んだ共演の芸人仲間たちも、やがて一平の持つ不思議なオーラにひれ伏すように、自らサポート役に回るようになった。
だからと言って、一平からは傲慢な部分は微塵も感じられなかったので、共演したレギュラーメンバーたちは一様に仲が良く、25年経った今でも仕事やプライベートでの親交を重ね、今では芸能界の一大勢力と言ってもよかった。

その番組は、コンスタントに20%を超える視聴率を獲得し、一平は早くも数字を取れるタレントとして一目置かれる存在になっていた。
以降、出演依頼が殺到。いわゆる売れっ子芸人の仲間入りを果たし、レギュラーの番組を何本も抱えるようになるが、やがて企画段階から自ら携わるようになり、一平プロデュースの番組が次々とヒットを飛ばして行った。
特に、クイズバラエティーやトーク番組での司会で、MCとして能力の高さを発揮して見せる。
決して自分から目立とうとはせず、ゲストをうまく持ち上げるトークは秀逸で、6の力しか持たない人間も、一平と共演することで8や9もの力を発揮することが出来た。
中には、それを自分の力と錯覚して自滅する芸人もいたが、多くの芸能人たちは一平との共演を熱望し、業界の大物たちも例外ではなく、一平の番組はさらに活気付いた。
後輩の面倒見もよく、若手芸人のネタや一発芸を自分の番組でわざと真似して見せたが、一平がパクった(?)芸は、その後、必ずブレークして、若手芸人の知名度アップという形でフィードバックされた。
若手にとっては、一平に芸を認められるかどうかが生き残りの試金石となった。

スポーツ選手を集めたトーク番組では、メジャーなスポーツはもちろん、目立たないマイナーな競技にも光を当て、その番組をきっかけに、多くのスター選手が生まれて行った。
オリンピックには、日本チーム応援団長として現地に駆け付け、幾多の感動的なスポーツシーンに立ち会い、閉会式の後には、選手村の前で選手たちに胴上げされ、その光景が現地のマスコミにも取り上げられたりした。

ベストテンスタイルの音楽番組では、テレビ嫌いで有名な伝説のロッカーを引っ張り出すことに成功し、一平との間で気取らない軽妙なトークのやり取りを交わして、テレビの前のファンを驚かせた。
その後、そのカリスマは、『一平の番組だったらいつでも駈け付ける』と宣言。その後もテレビ拒否派のアーティストたちをちょくちょく登場させ、そのたびに大きな話題になった。
一平の対談番組に、いかにも嫌々という風に出演した傲慢で有名な女優は、わずか1時間の対談で一平にすっかり心を開いてしまい、実は気取りの無い明るい性格であることを見事に引き出したことで、その女優はその後、テレビや映画で新境地を見せ、真のスターの地位を獲得することになる。

一平の番組は、どれも確実に高視聴率を記録することから、30歳を超えた頃には、業界関係者から『常勝将軍』のニックネームを賜った。
(つづく)

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2011.09.15 Thu l 燃えろ一平!プロローグ編 l コメント (4) l top

コメント

こんばんは。
お久しぶりで~す。v-411

新作ですねー。
今まではちょっとカラーが違って
面白いです。

エッチなシーンがなくっても成り立ちそうなお話っぽい。
(素人がすみません)

この一平さんにどんなロマンスがうまれるのか
楽しみーーー。v-364

期待して待ってま~す。
(無理のないように・・・)
2011.09.15 Thu l 萌. URL l 編集
今回は
あるお笑い芸人の自伝ネタですか。とりあえずHなシーンなくても成り立ちそうな話ですね、期待してます!。
2011.09.15 Thu l 私の碇で沈みなさいっ!. URL l 編集
萌ちゃんへ^^
麗しき萌嬢に期待されて、プレッシャーもひとしおです^^;
歳のせいか、最近あまりエッチシーンが思い浮かばないんですよね^^;
それでもとりあえず、『エッチなおはなし』の名に恥じない程度には交えていきたいと思います^^
これからもどうぞヨロシク<(_ _)>
2011.09.16 Fri l スマイルジャック. URL l 編集
私の碇でさんへ^^
かなりいい加減なプロットでスタートしてしまいました^^;
とりあえずプロローグ編は書きあがってますが、本編はどうなるか…
なんとか穴をあけることなく続けていきたいですね^^
2011.09.16 Fri l スマイルジャック. URL l 編集

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