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スタジオの明るい照明の下、10体の裸体があらわになり20個のおっぱいが踊った。
(ひ、ひえ~)
思わず心の中で悲鳴を上げた一平。さすがにポルノ女優を志すだけあって、女優たちはみんな若々しくフレッシュで美しい肢体の持ち主だった。
誇らしげに豊かな乳房を押し出す子、大きさはそうでもないものの美しいシルエットのおっぱいの清純派。たっぷりとしたお尻や引き締まったお尻。脚の長い子や、すでにお母さん体型の子もいたが、それもまた個性。
肉体の特徴が千差万別な分、男の好みもいろいろと言うことだろうが、みんなそれなりにそそるものを持っていた。
ほとんどの子が一平より年下に見えたが、全裸になってなんら臆しない姿は、おどおどする一平などより、はるかに貫禄があった。
そして女優たちは全員が股間のヘアーをキレイに処理してあったが、これもプロ意識と呼ぶべきものだろう。
当時ももちろんヘアーが画面に映ることはご法度だったし、モザイク技術はまだ未熟で、ボカシも面倒かつ無粋だったので、ほとんどカメラワークと編集で性器が映り込まないよう工夫していた。だからポルノ女優たちはヘアーをキレイに剃り上げるのが義務となっていた。脱毛技術が進んだ現代とは違い、当時は女優自らがカミソリで剃っていたのだった。

それにしても、これだけの人数の裸の女体を見るなんて、小さい頃、母親に連れられて入った銭湯の女風呂以来のことだと思った。
裸に囲まれ、一平はめまいがしてポーッとなってしまったが、もちろんそんな暇は無く、女の子たちの脇に控えて上司である村田の指示を待った。
女優たちが決められた立ち位置に着き、大原監督がカメラの脇でディレクターズチェアに座って長い脚を組んでレイバンを光らせる。撮影監督の高羽がカメラを覗き込み、村田はその横で大原と高羽の様子をチラチラと伺っていた。
「おい、右から3番目、毛が見えちゃってるじゃないか」
カメラを覗き込んだまま、高羽が苛立った声で文句を言った。
「ルミちゃん!ちゃんとヘアーは処理しておいてって言っといたでしょ。一平!前張り!」
早速、村田の指示が飛ぶ。
「ハイハイ!」
一平は、バンドエイドを大きくしたみたいな前張りと呼ばれるテープを持って、橘ルミの元に急いだ。
「前張り嫌いなのよね。剥がす時、痛いしさ。一平君、うまく貼ってよ」
身長は低いけど、ロケット型のキレイな乳房をしたルミが、不貞腐れるように一平に訴えた。
「…へ?」
「ほら、早く」
ルミが、ズンと下腹部を突き出したので、一平はどぎまぎしながらも仕方なくその前に屈み込む。
目の前に、ふっくらとしたお腹があり、その下にくっきりとした割れ目のライン。なにやら突起物が割れ目からちょっぴり顔を覗かせているような…
よく見ると、たしかにタテの割れ目の脇に、伸び始めた陰毛が何本かチロチロしていて、いかにもルミの鷹揚な性格が伺えた。
ルミの下腹部を目の当たりにして、一平は再びめまいに襲わそうになるも、『いかんいかん!これは仕事なんだ』と自分に言い聞かせ、あたふたとテープの保護紙を剥がした。
「一平君、前張り貼るより、キレイに剃ってあげればいいじゃない?」
脇役ではベテラン格の結城美沙子が悪戯っぽく言い、それを聞いた他の女の子たちがドッと沸いた。
「だったら私のも剃ってよ。自分で剃ると剃り残しが多いのよね」
すかさず他の女の子がチャチャを入れてくる。
「あんたの剛毛だから、カミソリが歯こぼれしちゃうんじゃない?」
「ひど~い!私のは髪の毛同様サラサラヘアーよ。あんたこそ、お尻の方までびっしりなんでしょ?」
「失礼ねえ!」
収拾が付かなくなってオロオロする一平に、『一平、早くしろ!』と、村田の怒鳴り声。カメラの方を見れば、監督は呆れ果てているし村田の目は三角だった。
(つづく)

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2011.09.26 Mon l 燃えろ一平!幻のデビュー編 l コメント (0) l top

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